営業ターゲットリストを自動生成｜リスト作成時間を“ゼロ”に近づける仕組み

概要

n8nとAI、スプレッドシートを組み合わせて、深夜のバッチ処理で営業リストのバイネーム検索を自動完了させる仕組みです。

営業担当者は日中に「企業名や業界」などの最低限の情報をスプレッドシートに入力するだけ。夜間にn8nワークフローが起動し、AIがWebリサーチと情報整理を代行します。翌朝には、役職・部署・担当者名などが揃った精度の高いターゲットリストが出来上がっている状態をつくります。

解決する課題

• 営業リスト作成にかかる膨大な時間
  Google検索とWeb閲覧、情報のコピペで数時間〜半日が溶けていく

• 属人化した「探す力」への依存
  優秀な担当者ほどリスト作成に時間を奪われ、再現性が低い

• 「探す」作業が営業のコア業務を圧迫
  本来注力すべき商談準備・顧客理解に割ける時間が不足

ソリューションの構成

この仕組みの中核は、ノーコードワークフローエンジンである n8n です。スプレッドシート、AI API、スケジューラーをつなぎ、夜間バッチ型で自動処理を行います。

1. スプレッドシート入力（営業担当者の作業）

• アプローチしたい企業名や業界キーワードを、指定のスプレッドシートに入力

• リストの粒度は「企業名だけ」「業界名＋地域」など、チームの運用に合わせて柔軟に設定

2. 深夜トリガーでn8nフロー起動

• n8nのスケジューラーノードで、例えば深夜2時にワークフローを自動起動

• 「未処理行」のみを対象にすることで、差分実行にも対応

3. スプレッドシート読み込みと行ごとの処理

• スプレッドシートから対象行を取得

• 各行をループしながら、企業ごとにAIへの問い合わせを実行

4. AIによるバイネーム検索・情報整理

• ChatGPTなどのAPIに対し、n8nから以下のような指示を送信

  • 例：「この企業について、想定されるキーパーソンの役職・部署・職種候補を列挙して」

• AIがWeb検索や一般知識をもとに、営業が知りたい粒度で情報をテキスト化

5. スプレッドシートへの自動書き込み

• AIの回答をn8nが受け取り、行ごとに整形してスプレッドシートへ書き戻し

• 役職、部署、候補職種、メモ欄など、項目ごとにセルを分割して保存

導入効果

• リスト作成時間の大幅削減
  従来は担当者が数時間かけていた調査・転記作業を、夜間バッチで自動処理

• 営業の「朝一」の質が向上
  出社時点でターゲットリストが完成しているため、すぐに商談準備やアプローチ設計に入れる

• 属人化の解消と再現性向上
  「探す力」に依存せず、誰が担当しても一定品質のリストを用意できる

推奨ターゲット

• インサイドセールス／フィールドセールス組織を持つBtoB企業

• アウトバウンド中心で、新規ターゲットリスト作成に時間がかかっているチーム

• 営業代行・リード獲得代行など、リスト品質がサービス価値に直結する事業

運用上のポイント

• 最初は1業界・少数の企業群から始め、プロンプトと出力フォーマットをチューニング

• AIが返す情報はあくまで一次情報として扱い、重要な案件では人による最終確認を挟む

• スプレッドシートのカラム設計（企業名／URL／業界／ステータスなど）を標準化し、他の営業施策とも連携しやすい形にしておく

この仕組みにより、「夜のうちにAIが探し、朝には営業が動ける状態」をつくることで、営業チーム全体の生産性と再現性の高いリスト運用を実現します。