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「大阪市高速電気軌道株式会社」の社名が入った本社の壁の前に並ぶ、駅構内事業課の5名の皆さま

Excelで手作業だったポップアップストア20店舗の精算・出店管理を刷新。月3万件以上のデータ管理を支える基盤を、AIを活用し約3か月で構築。

大阪の地下鉄を運行するOsaka Metro様。駅ナカの期間限定ショップ「Metro Opus」20店舗の売上精算と出店カレンダーを、Excelとメールから一つの仕組みに置き換えました。管理側のエラーや工数の削減にとどまらず、通算約270の出店者のデータを出店者の売上UPに生かす基盤が整いました。

Consulting2026/10/20

お話を伺った方

  • 仲尾様

    大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)事業開発本部 事業開発部 駅構内事業課 係長。駅ナカの店舗や自動販売機など、鉄道以外の事業のうちお客様の利便につながる施設を展開する同課で、期間限定ショップ「Metro Opus」の運営と出店開拓を担当。

  • 前川様

    同課 係長。「Metro Opus」の運営と出店開拓を担当。

  • 山口様

    同課。「Metro Opus」の運営を担当。

  • 八十川様

    同課。「Metro Opus」の運営と、売上精算の実務を担当。

  • 上村様

    同課。「Metro Opus」の運営と、売上精算の実務を担当。

抱えていた課題

駅ナカで週替わりの期間限定ショップ「Metro Opus」を20店舗展開。1店舗につき月4〜5の出店者との売上精算を、各店舗で毎月Excelで行っていた。前月のファイルを使い回すために前の数字が残る、端数を手で直すといった見落としやすい作業が、月初の締め切りの前に集中していた。

出店カレンダーもExcelとメールでやり取りしており、運営事業者と自社の両方で出店を決めるなかで、空いているはずの枠がすでに埋まっていたと後から分かることがあった。

効果

  • 精算・出店カレンダー・出店者の情報が一つにつながった業務管理の仕組み「Opus One」を約3か月で構築。試しに入れた9月分の精算はExcelの数字と一致し、端数を手で直す作業も不要に
  • 通算約270の出店者の情報と実績を、同じ形で積み上げられる基盤が整った。データを根拠にした出店の計画と、出店者への提案に生かしていく。運営事業者も含めた本格的な運用に向けて、出店者データの登録を進めている

課題:1店舗につき月4〜5の出店者をExcelで精算。出店カレンダーはメールのやり取りで行き違いも

Q. まず、皆さまのお仕事と「Metro Opus」について教えてください。

── 仲尾様 Osaka Metroは鉄道事業が基本ですが、鉄道以外の事業もあります。私たち駅構内事業課は、駅ナカの店舗や自動販売機、ロッカーといった、お客様にとって便利な施設を展開しているチームです。今日のメンバーは、その中でもMetro Opusの運営と、出店の開拓を担当しています。

Metro Opusは、2022年4月に立ち上げた、期間限定・週替わりのポップアップショップで、いまは駅ナカを中心に20店舗を展開しています。

Q. AOMにご相談いただく前は、どのようなことにお困りでしたか。

── 仲尾様 20店舗を自社だけで運営するのは難しいので、催事に特化した運営事業者様と契約して、各店舗に出店者様を入れていくリーシングをお願いしています。一方で、店舗のレジは当社で用意していて、売上の精算を各店舗で毎月行う必要があります。その業務を、運営を始めてからずっとExcelでやってきました。

1店舗につき、月に4〜5の出店者様の精算があり、イレギュラーなことが起きたり、レジの数字と合わなかったりします。Excelは前月のファイルをコピーして使うので、前の数字が残るなどのミスが発生しかけたこともありました。人間ですから、私たちも、運営事業者様も、出店者様もそういったエラーに気付かない可能性があります。そこを仕組みにすることで解決したいと考えていました。

Q. 精算には、どのくらいの時間がかかっていたのでしょうか。

── 上村様 店舗によって作業の中身が違うので一概には言えませんが、0から入力すると、1店舗あたり1時間前後かかり、それが店舗の数だけあります。

── 仲尾様 月次の処理があるので、月初の決まった営業日までに概算の数字を固めなければいけませんし、運営事業者様の側にも締めがあります。店舗がどれだけ増えても締め切りは変わらないので、月初はどうしても精算に時間を取られていました。

Q. 出店のスケジュールは、どのように管理されていましたか。

── 仲尾様 リーシングは運営事業者様にお願いしていますが、当社でも独自に進めています。両方で動いているので、スケジュールを埋めようとすると重なることが出てきます。カレンダー管理もExcelを使っており、更新のたびにメールでやり取りしていたので、どうしても時間差がありました。私たちのカレンダーでは空いていた枠が、運営事業者様の側ではすでに埋まっていたと、後から分かることもありました。

こういった課題に直面し、当社側と運営事業者様側の両方でリアルタイムでカレンダーを管理したい、また、精算だけでなく分析も含めてまとめて扱えるものを作りたい、と考えるようになりました。店舗が増えたことで管理の難しさが表面化したことが、システム化を進めることになったきっかけですね。

会議室でノートパソコンを前に並び、笑顔を交えて取材に応じる駅構内事業課の皆さま
取材に応じてくださった駅構内事業課の皆さま

AOMを選んだ理由:事業の仕組みを踏まえた的確な提案と、短い構築期間

Q. AOMを知っていただいたきっかけを教えてください。

── 仲尾様 昨年から、精算や出店管理のシステム化に向けて徐々に動き始めていましたが、自分たちの業務に合わせて一から開発することになりますし、私たちはシステムを専門にしている部署でもないので、正直なところ、何もわからない状態から開発会社探しを始めました。そのなかで、社内のICT部門から紹介を受けたのがAOMさんでした。

Q. 最終的にAOMに決めていただいた理由は何でしたか。

── 仲尾様 Metro Opusは、出店者様、運営事業者様、当社が関わる事業で、この仕組みをベンダー様に理解していただくことがなかなか難しく、提案内容と私たちが思い描いているものとの間に開きを感じることもありました。

そんな中、AOMさんは、ご説明した内容の理解度が高く、課題の解決につながるクリティカルなご提案をいただけたのが印象的でした。また、スケジュールに関しても精算機能・カレンダー機能含めて3か月程度という短いタイムラインでご提示いただき、それも決め手になりました。

実施したこと:精算・出店カレンダー・出店者情報を一つにつないだ業務管理の仕組み

Q. どのような仕組みを作ったのでしょうか。

── 仲尾様 精算と出店カレンダー、出店者様の情報が、すべてつながった「Opus One」という社内システムを構築していただきました。

  • 売上の精算 — レジの売上データを取り込み、出店者ごとの条件に沿って精算を自動で計算する。端数の調整も仕組みの中で行う
  • 出店カレンダー — どの店舗に、いつ、どの出店者が入るかを、運営事業者と同じ画面で確認して登録できる
  • 出店者の情報 — 出店の実績や、食品を扱ううえでの衛生管理の情報を、出店者ごとに一か所で管理する

その他、食を扱う事業なので出店者様の衛生管理の情報も入れられるようにするなど、機能の要望も柔軟に聞き入れていただけました。

Opus Oneのデモ。レジの売上データ(CSV)を取り込むと件数と内容のプレビューが出て、取り込み後は売上データ・出店者別売上実績・出店カレンダー・出店者・店舗の各画面で確認できる(テスト用のデータ)

Q. 開発は、どのように進みましたか。

── 仲尾様 基本的には週に1回の打ち合わせで、アップデートを共有してもらいながら進めました。

早い段階でプロトタイプをご用意いただき、実際に触ってみて「ここはこうしたい」と具体的な話をしながら進行することができたのも非常に良かった点です。打ち合わせの場以外でも、使いながら気付いたことを、随時チャットでお送りさせていただいていました。

その内容も次の打ち合わせまでにはご対応いただき、単なる修正だけでなく「ここもこうしておきました」と、さらに使いやすくしていただけたのもポイントでした。9月はかなり駆け足で、いろいろお願いしましたね。

Q. 外部の会社と一緒に仕組みを作り上げるのは、今回が初めてだったそうですね。

── 仲尾様 はい。昨年から開発会社を探してはいたものの、これまでは探す段階で止まってしまっていて、実際に開発まで進んで形にできたのは、Metro Opusでは今回が初めてでした。

私たちはシステムを専門にしている部署ではないので、最初は何から決めればよいのかも分からない状態でした。それでも、早い段階から動くものを見せていただき、触りながら一つずつ決めていけたので、スムーズに進めることができました。

成果:テストデータでその利便性を体感

Q. 実際に触ってみて、いかがですか。

── 上村様 まだ実際の運用は開始していないのですが、実データを使ったテストでは、すでに精算部分で特に大きな効果を感じています。

過去のデータを入れてみたところ、現状のExcel上での数値と一致し、自動で精算が完了することを確かめられました。これまでは小数点の関係で端数を手入力で調整しなければならないなどの細かい手作業が発生していましたが、その必要もなくなりました。

出店カレンダーの機能に関しても、特に運営事業者様に直接入れていただけるようになれば、いまどの枠が動いているのかがすぐに分かるようになり、大きな工数削減になることは確かです。

Q. これからの運用について教えてください。

── 仲尾様 ここまでのフェーズでは事業の実態をしっかり把握していただいて、実運用に耐え得る基盤を作っていただいたと思っています。これからは、過去の分も含めてデータを積み上げていきたいと考えています。過去データは膨大なので、まず出店者様の情報を入れ、その上で運営事業者様とご一緒に運用の手順を整えて、本格的に使っていきたいと思います。

運営事業者様にとっては、これまでExcelでやってきた作業の道具が変わることになるため、どこを見ていただくのかなど、密にコミュニケーションを取りながら進めていきたいですね。

今後の展望:通算約270の出店者のデータを根拠に、出店者とともに伸びていく店舗づくりへ

Q. この仕組みを、今後どのように生かしていきたいですか。

── 仲尾様 出店者様は、これまでに通算で270ほどいらっしゃいます。どの出店者様が良いか、どの店舗と相性が良いかは、経験からなんとなくは分かるのですが、データを根拠にして社内に説明したり、分析したりすることは、あまりできていませんでした。

今回、同じ形でデータを積み上げて比べられる基盤を整えていただきました。分析の機能や、店舗との相性をAIが示してくれるような仕組みを、出店者様を決めていくときの指標の一つとして使っていきたいと考えています。将来的には、店舗の設備の管理や、出店者様ごとの売り場の配置にまで広げられたら、さらに良いものになると思います。

Q. 出店者の皆さまに対して、どのような存在でありたいとお考えですか。

── 前川様 私たちも売上を伸ばしていきたいですし、出店者様にも企業として大きくなっていただきたいので、「Metro Opusに出店して良かった」と思っていただける店舗にしていきたいと考えています。

大阪の中心に店舗を構えられるのは出店者様にとって大きなチャンスですから、この仕組みをうまく使って、「こう見せたほうがいいですよ」と商品の見せ方などをこちらからご提案し、売上アップに貢献できるようになればと思っています。あまり口を出しすぎると怒られてしまうかもしれませんが(笑)。

「Metro Opusに出て、こんな売り方をしたら売れた」という例を私たちがデータとして持っておけば、ほかの出店者様にもお伝えできるようになります。商売はコミュニケーションだと私自身も気付かされましたので、そうしたやり取りを重ねながら、出店者様と一緒に伸びていけるつながりを作っていきたいですね。

── 出店店舗に貢献したいという熱い想いに心が動かされました。精算や出店管理の効率化にとどまらない、出店者様とともに伸びていくための基盤として育てていけるよう、運用の立ち上げから引き続きAOMも尽力いたします。本日はどうもありがとうございました!